「すべては病める人々のために」を理念として、さとう循環器科内科クリニックを設立して15年の歳月が過ぎました。この間、私が一番得意とする循環器疾患を中心として、すぐ隣の何でも相談できるクリニックとしてできる限り最高の診断機器と技術で、一人一人にあったオーダーメイド診療に当たって参りました。また、この15年間の医療や医療機器の発達に伴い当院をとりまく医療技術の進歩に伴い当院も進歩して参りました。
平成16年12月に開院して以降、平成17年には、開院当時施行していなかった内視鏡検査を内視鏡専門医の松村医師を招聘して開始いたしました。精度の高い検査を行いこれまでに多くの早期がんを発見できました。内視鏡スコープをより口径の細いものを導入し、患者さんへの負担の少ないものへと更新致しました。平成30年から、NBI(特殊な光をあてて観察する方法)が可能な機種に更新し精度の高い観察ができるようになりました。
平成18年には禁煙治療を開始いたしました。喫煙と肺疾患および循環器疾患と密接な関係があることから、禁煙治療の重大性を鑑みて開始当初は、あえて自由診療ではありましたが、早期に取り入れることといたしました。現在は、当院は禁煙治療の保険診療機関に指定されており保険診療が可能となっております。平成22年5月より飲み薬(バレニクリン)が使えるようになり、禁煙成功率が大幅にアップしました。また、平成30年の医療改正により、受診していただける方の条件が緩和されました。
平成19年には、循環器疾患との関連から睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査を開始し多くの患者さんを見出しました。スクリーニング検査でさらなる検査が必要とされた方につきましては、獨協医科大学病院などで精密検査を受けていただきます。精査の結果CPAPが必要とされた患者さんは数回精密検査を受けた施設に通院していただき、安定したところで当院で治療を継続させていただきます。睡眠時無呼吸症候群は、いびきなどによる睡眠の質を低下させるだけでなく、突然死にもつながる恐ろしい病態であることが知られております。当該患者さんには、CPAP装着後は、それまでの睡眠に比して睡眠の質の改善が得られ、眠気などの自覚症の軽減が認められています。また、重大な脳・心疾患の抑制にも役立っております。
平成24年4月、それまでのシングルプレーンCTよりスパイラルCTに機器を更新し、検査時間の短縮と検査の精度が大幅に向上し、肺がん、肺結核などの患者さんをたくさん発見することができるようになりました。
狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患に関しましては、病診連携医療機関での冠動脈CTにより、それまで入院でしか行えなかった冠動脈造影がCT検査で可能となり、早期の冠動脈疾患の患者さんの発見に大いに役立っております。患者さんご自身に対しても心臓カテーテル検査より、負担が少なくまた短時間で検査が終了するためより安全に検査が行えるようになりました。
ワーファリン服用中の患者さんのため、INR測定器を導入し、INR値を直ちに測定可能とし、ワーファリンの導入や状態のチェックに役立てております。また、心電図モニターを導入し、状態の心配な患者さんや不整脈治療に際してのモニターを可能といたしました。平成24年10月ホルター心電図解析装置の新バージョンを導入いたしました。解析時間の短縮に貢献しております。現在まで3台のホルター心電計が同時に稼働しております。
今後も時代とともに、医療の進歩に即して、多くの地域の皆様とともにニーズに合わせた医療を提供できるよう発展し続け、皆様に必要とされるクリニックとなるよう努力を重ねていきたいと思います。
令和2年2月
さとう循環器科内科クリニック 院長 佐藤 吉弘